第一話:「Handwork CAFE を描く者」 障害年金受給者のその後を考える
当社代表であり、社会保険労務士である坂田は開業後、障害年金請求を専門として
多数の障害年金請求を手掛ける中で、その約6割程度が精神の障害という現実を知ります。
特にまだ会社に通っている段階で発症した場合、休暇期間中に症状が回復すれば良いですが、
そうでない場合は退職という道を選ばざるをえないということも知りました。
この現状に対して国が何もしていないかというと、そういうわけではありません。
厚生労働省は障害者雇用対策として以下の施策を行っています。
・企業に対して雇用する労働者の1.8%に相当する障害者を雇用することを義務づける。
・これを満たさない企業からは納付金を徴収し、障害者を雇用するために必要な施設設備等に助成する。
そして上記を満たすための手段のひとつとして「特例子会社」制度があります。
企業は子会社を設立し、そこで障害者の方を雇用します。「雇用する労働者の1.8%」は
親会社+子会社を母数として算定してよいとしています。
つまりは、親会社で障害者の雇用を行っていなくても、子会社で雇用して「1.8%」を満たせる
ということです。
障害者が集まる会社ですから、その分職場環境、業務内容ともに障害者に配慮したものになるため、
この制度自体は良い面がたくさんあります。
ですが、その雇用状況には偏ったものになっています。
平成22年6月時点で14542人の障害者が特例子会社で雇用されていますが、そのうち精神の障害をもった人は、わずか454人。全体の3%程度なのです。
(厚生労働省「障害者雇用率制度の概要」資料より)
坂田はこう思うようになります。
「障害年金に関わる者として、『その後』までサポートしたい。」
これが障害者の方の就労を支援するプロジェクト「Handwork CAFE」の始まりとなります。
病気やけがで働けなくなるかもしれない。自分のこととして想像するのはなかなか難しいかもしれません。
しかしながら、そういった方がいることは事実です。
そして、実際に障害年金請求を依頼いただく方に共通するのは、「現状としては受け入れているものの、また社会に戻って働きたい」という思いです。
障害年金を受け取れるようになったからといって、「それでいいや」とは思っていないのです。
だからこそ、障害者の方が自然に社会に戻っていける仕組みが必要なのです。
「働けなくなることが、リスクでなくなるように。」
それがHandwork CAFEを通して描く未来です。
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